2020年から毎年12月始めになると摩耶山の紅葉狩りに出かけている。今年は6回目、例年だと12月5日辺りなんだが今年は紅葉が早いみたいな気がしたので早めに出かけることにした。秋まで高温が続いていたがさすがに12月の声を聞くと朝晩はメッキリ冷えてきた。長年使っていたストームクルーザーは去年山で置き忘れ、前回の山から新しいやつ（レイントレッカー）を羽織りだした。今のモンベル製品はどれもペラペラ感がしてシックリこないので一番厚目のを選んだんだが……前のに較べると落ちるなあ。機能は良くなったとは言うものの衣類は着た感じが第一なんだ。
杣谷から摩耶山に入る時は阪急六甲から護国神社までバスに乗るのがこれまでのコースだったが。杣谷入口までの坂道登りは案外堪える。少し楽な灘円山公園までバスで行くとかなり楽チン。となると阪急王子公園からの市バスになるんだが、このバスは1時間に1本しか走ってない。前はもっとあったように思うけど。駅前のカフェで朝早くから開いてるのは意外と少なく、駅南側の ロイヤルホスト西灘店 くらいになってしまう。ここは朝からガッツリ食べられるから悪くはないけどファミレスだから風情はない。サラダ、スープ、ドリンクバー付きの豪華な朝食を食べた。
バス時刻も前より遅くなり8時58分発。灘円山公園バス停は付近が工事中の為少し下に仮のバス停が造られていた。降りたのは2名（どちらもハイキング姿）。一つ前に降りたお婆ちゃんも同じ道を登ってきて喋ってきた。山姿だからどこで降りるのかと思っていたらしい。この上に住んでるんですかと聞くと、主人のお墓参りに行く、前は下から歩いてたけど今はシンドクなってのでバスにしている。毎月来てるんだろうか年代は自分より少し上みたいだった。こんな話を聞くとナンかシンミリしてしまう。
山は紅葉しているが登山口周辺はまだ色付いていない。少し早かったかなあ。女性グループ（6名～）がやってきた。“クマが…”なんて話をしている。アウトドアをしている人間も世間の戯言を信じてるんだなあ。六甲山にクマなんている訳ないだろう、マア山は日本海まで続いてるんだから移動は出来るけど住む場所がないところにいるハズがない。仮に遭遇してもよほどのことがない限り人間を襲うことなんてない。コロナ以降の日本人はまともに考えることがなくなっている。
杣谷登山道に入ってすぐの堰堤から摩耶観尾根に上がる。ナンの工事か知らんけど去年と変わらず“工事中立入禁止”の札が立っている。その箇所は摩耶山頂から架線がかっていたが工事をしている風じゃない。この尾根は始めが一番キツい。鉄塔が立つ辺りまで登ると後は傾斜も緩くなってくる。紅葉は……時折真っ赤な木もあるけど全体で見ると、まだみたいに見える。旧摩耶間ホテル手前の小広い辺りの紅葉が一番綺麗だった。上下に“立入禁止”の札があるのでこのルートを歩く人は少ないだろう。今年もこの紅葉を見てるんだ、後何年……なんて先のことを考えてもどうにもならん。去年もここで一服した時そんなことを思っていたが1年経つとこんなにも状況変化があるんだ。自分だけじゃなく周りも変わっていくからなあ。春と違い秋は物思いが沈みがち。
秋の摩耶観ホテルは当に廃墟のイメージ。上の方から子供達の声が聞こえている。ケーブル駅からここに下る道は何重にも柵が設置され入れないようになっている。柵を乗り越え虹の駅まで来た。駅前のカエデは真っ赤になっている。近畿の山は植林が主体だから全山紅葉になるところは少ない。上野道を史跡公園まで上がり休憩するのがパターンだったが、今日は省略して青谷道を下る。行っても少し見晴があるだけだし体力も落ちてるんだ。
行者小屋手前の沢で水を汲む。旧摩耶道分岐辺りも紅葉が綺麗なところなんだが今日はマアマアてとこかな。陽の当たりが悪いと紅葉が冴えないから。旧摩耶道は山腹を巻く道がクネクネ付いている。一応周囲の木々は色付いてるけど鮮やかじゃない。旧砲台跡から南に延びる尾根でランチタイム。バーナーでお湯を湧かすのも久しぶり、この前は何時だったかな。最近はエスニック風ピリ辛トマトラーメンが定番になっている。砲台を見物しているハイカーが一人いた。ここから下は学校林道にハズなんだが“危険廃道”の札があった。
雷声寺までの道も適度に紅葉していたがハッとするような景色じゃない。マア色は付いてるなあ、くらいかな。落葉も多いしこれから色が鮮やかになることはないだろう。やっぱし秋までの高温が影響しているのかも。ネットでは観光に影響が出るようなこと（2025の紅葉はイマイチ）が書けないから、如何に今年は素晴らしいなんてのが多くなる。マア人それぞれの感じだから否定は出来ないけど、自分の感じではそれほどでもない。降り着いた雷声寺もそんな感じ。陽当たりが悪いから映りが悪いのかとも思ったが……赤より黄色の方がくすんでいるように見えた。何回も来ているから最高だった年との比較になっているのかもしれない。
新神戸まで降りて今日は新しいカフェに入ってみた。新幹線跨線橋を越え野崎通を新神戸駅に下る坂道途中の ベルティエ という小さなカフェ。満員だったら止めとこうと中を覗くと誰も入ってなかったので入る。外は冷えていたが中は日当たりが良くポカポカしている。季節に会わないアイスラテが飲みたくなった。マスター（?）は素顔だったがマダム（こっちがマスターだったかな）はマスク姿だったのがマイナス。街中のゴミゴミした所より、静かに外を見ながらお茶する方が気持ち良い。
大通を三ノ宮まで下る。途中のカフェバールこうべっこは日曜定休だった。今日は他に寄る当てもないので阪神で帰る。ドーム前イオンで買物。偶には買物せずに帰りたい。妻が死んで8ヶ月になろうとしている……去年に較べると……。