今年もクリンソウの時季になってきた。人間社会がどうあろうと自然は多少の誤差はあれど何時もどおりに動いていく。近畿の山でクリンソウの咲いている所は意外と多くある。北山では雲取山、魚谷山、大文字山など、比良の琵琶湖バレー、金剛山カトラ谷などが有名だがそれ以外にもいっぱいあるんだろう。花が綺麗だから話題になるがごく普通の山野草なんだ。
芦見谷のクリンソウは４年前の台風以降咲きが悪くなった。“台風による塩害”の所為なんかなと思っていたんだがそうじゃなく“鹿害”とのことらしい。葉っぱは勢いよく出てるのに花がない。龍の小屋辺りのクリンソウ園はほぼ壊滅状態になっていたが今年はどうなんだろう。こんなのは実際行って確かめないと分からない。今日は山を降りてから向日町（兄宅）に行くのがメインでお山はネクストなんだ。
北野田駅5時36分発急行乗車。京都に行く時はこれか一つ前のに乗らないと余裕で登れない。新今宮から環状線に乗り大阪、阪急京都線、嵐山線と乗り継ぎ嵐山着7時20分。平日の7時台清滝行バスは14分と50分。桜の時期も終わりヒッソリした嵐山。バス待ちしている人は誰もいない。周りの山も新緑の衣を着ている。発車時刻になるともう一人ハイカーがやってきた。少し遅れて8時にバスが入ってきた。このバスはここ始発じゃなく四条発のみたいですでにハイカーが幾人か乗っていた。
清滝着8時20分。緑でムンムンする山間を下り橋を渡る。観光地とは言えシーズンを外れると極端に人が減ってしまう。何時来てもそれなりに良い所なのにメディアに唆されるママに動いているとは情けない。今日は新しいズボン（モンベル中厚）のテスト山行。 この時期には少々暑いけど動きは楽。薄手よりも中厚の方が使い勝手が良いからもう一つゲットしておいても良さそうだ。高雄遊歩道分岐でモーニングタイム。
緑の中に時たま残りツツジがあるだけの単調な道を辿り月輪寺登り口で一服。汗ビショになってきたので薄手ズボン（LLビーン）に履き替えた。この道の倒木も少しずつどけられている。上流から流されてきたんだろうか道脇にクリンソウが1株また1株と花を咲かせていた。梨ノ木大神着9時48分。朝食と着替えの時間を除くと清滝から約1時間で来たことになる。石碑は傾いたまで元に戻されるのは何時になるやら。
倒木帯、植林帯の急傾斜道を登っていくと川沿いにポツポツと薄紫の花が見えている。この咲き具合なら久しぶりの花園が見られるかも。いつも休憩する枝沢出合には3株咲いていた。大岩を過ぎ最後の登りに取りかかると上から老年ハイカーカップルが降りてきた。咲き具合を効くと“龍の小屋辺りは全くダメだが上流は良く咲いていた”。このルートを歩く人は源流域の“花園”を知ってる人が多いんだ。
首無地蔵着10時57分。芦見谷に降りると聞いていたとおり花影がなく葉っぱのみ。こんなんで本当に上流は咲いてるんかな。ゆるやかな源流帯を遡行していけど花はごく疎らで、上流の花園を知らない人なら諦めて引き返すだろう。二俣辺りは葉が茂り明るさがなくなっていた。今年は4月に来なかったからなあ。オニギリ弁当とおかずの昼食。今日はバーナーも持ってきてないのでコーヒータイムはなし。ここも花影がない。
さあ今年の“秘密の花園”はいかに。期待半分で登っていくと沢沿いにピンク色の点々が見えてきた。こりゃ咲いてるわ、去年以上に密生して満開。回復してきたんだ。細い沢筋なので幅はないけど流れの両側に群生しており自然のような咲き方。1段上にも続いていた。今日は久しぶりにX-S1を持ってきた。最近はX30、X-T20ばかりで出番が少なくなってきているが山にはこんな機種が一番合ってるんだ。でも少しへたってきてるので調整して写さなければ明るすぎになる。
充分満足した花園。今の時期は下生えがうるさく稜線まで上ってから降りるよりは元来た道を引き返した方が楽だ。来た時よりも明るい陽差しで緑に酔いそうになる。首無地蔵から降り始めるとカサカサと音がした。今年最初のアオダイショウに遭遇。緑色の体をした正にアオ…。梨ノ木大神まで30分、林道ゲート下の河原に降りて着替えた。その辺りにもクリンソウが咲いていた。
明るい緑に囲まれた清滝着2時過ぎ。阪急嵐山駅行バスは毎時50分発。ノンビリ歩いてバス停着2時20分。汗が噴き出てくる。まだ誰もいない。発車時刻になると8名ほどになった。嵐電嵐山から京福電鉄。車内は何故か学生ばかりが乗っていた。みんなマスクしてるんだから異世界紀行してるみたいでキショイ。太秦天神川で地下鉄乗換。東山で降りて大安。後は平安神宮から仁王門通、京阪三条～四条。寺町通の エローラ で夕食食べてから藤井大丸で買物。そして7時に東向日に着いた。今日もアチコチ彷徨いたなあ。こんなに暑くなってきてるのに必死にマスクを守り続ける姿に、新型日本脳炎（日本固有の）の凄さを感じる。この脳炎は特に若者に流行っている。