毎日毎日気の滅入るニュースばかり聞いていても陰の気が充満するだけ。自分が出来る訳でもなし、物事成るようにしか成らん。いくら心配してもしなくても結果は変わらない。未来は決まっているのかも知れない。今日は晴れそうなので1ヶ月振りに山に行こう。昨日から春の『スルッとKANSAI 3dayチケット』が使えるようになった。電車ばかりじゃなく阪急バス、京都バスもOKなので、かなり遠くまで行けてしまう。
この切符で行こうと思っていた北摂最高峰 深山にした。3連休初日の今朝は、駅前の“募金呼びかけも”まだいず静か。阪急梅田駅京都側のライラック・カフェでサンドイッチ・モーニング。普段の3連休よりは幾分ハイキング姿がすくないかなあ。震災の心理的影響か。
川西能勢口で能勢電鉄に乗り換え日生中央着10時15分。10時25分発後川行きのバスにはハイカーも4人ほど乗っていた。他の客も含めて全員が西軽井沢までで降りてしまい一人だけになった。こっちも杉生新田で降りたので後は空で走っていった。ボロのアノラックを着てきたが暖かく純毛のカッターシャツだけで充分。
泉郷峠辺りには残雪も所々にあった。籠坊温泉からの道を東に天王へと歩く。冬枯れの里山風情。天王という名前には惹かれるものがある。登山口に天王神社があった。余裕があれば寄ったのだがもう12時を回っているので先を急ぐ。
地図では深山を回り込んで林道が付けられている。途中から山に入る道を登り尾根に出た。深山頂上のレーダー施設が見えている。2つ西の峰のようだ。一応道らしきものも付いているので辿っていくと庫阪峠に降りたった。なだらかな斜面に疎林が並び北山を想わせるような所だ。こんな所があったのか! 。斑雪もポツポツ。一服してお茶とヨーカンを食べる。こんな場所に出合うと嬉しくなってくる。山登りの小さな幸せ……。
深山頂上の天柱石も見えてきた。神社の裏側になるので人工物は見えない。天柱石の回りは囲いがあり立入禁止の様子だ。回り込んで神社の前に出た。雰囲気ぶち壊しの鳥居と観測レーダー。これさえなかったら抜群の山なのに。昼食のワカメラーメンを食べていたら、鳥居前の駐車場に車が４台停まった。一人がこっちに歩いてきた。山登りの風でもなさそうだし何しに来たんだろう？と訝っていると、天柱石前の棒に国旗を揚げて帰っていった。神社関係の人だったのか。
他の車の連中も服を着替えて何やら道具を取り出している。何だろうと見ていると大きなラジコン飛行機だ。3人各自が飛行機を持って集まってきた。年齢は同じくらいかな。“俺、今日のは電動やから……”などとウキウキして楽しんでいる。プチ金持ち年寄りの道楽てとこかな、道楽に没頭している姿は微笑ましい。人のこと言えんのだが。いずれも3ナンバーの車だった（今時珍しくもないか）。
ササ原の続く深山高原を南に下る。すぐ横はゴルフ場。この日本危急の時？にも優雅にゴルフを楽しんでいる御仁は多い。ゴルフは好きじゃないがこれもいい。
山登りの後は温泉で汗を流そう。るり渓温泉 この時世だから空いているのではとの予想は大外れ。駐車場は満杯、温泉も人でいっぱい。韓国人も多く来ていた。この温泉にしたのは無料の送迎バスで日生中央まで行けるからだ。バス代で温泉が楽しめる（700円から）。露天は水着着用、レンタルもあるとのことだったが大風呂だけにした。泉質は、ウェ～弱放射能泉だ! ……敏感になっているなあ。
毎時00分発の無料バスで日生中央まで約30分。曲がりくねった道路を飛ばすので少し気分が悪くなった。後ろの席のオバちゃんは吐いていた。このまま電車に乗ると酔いそうなので駅前オアシスのカフェで珈琲タイム。
晴れた日は家でウツウツとしているよりは外に出た方が身体に良い。この1週間テレビに縛り付けられていたようなものだ。どんな大災害があろうとも、それに遭わなかった人達は普通の生活をするのが第1だと思う。一緒になって落ち込んでいたら復興も出来なくなってしまう。ラジコン飛行機を飛ばす人も、温泉でリラックスする人も、ゴルフをする人も、そして山登りのオッちゃんオバちゃんも、それでいいんだ。