永らく想っていたトルコに行く時が来た。これも“妻の死”が背中を押してくれたからだろうと思っている。そんなことがなかったら多分この旅には出かけていなかったと思う、もしリセット出来るなら……その方が良いに決まっている。悪いことの引き替えに、ほんの少しだけイイ思いをさせてくれているんだろう。自分も後どれだけ動き回れるのか分からない。たとえ生きていても動けなくなったら楽しみもなくなり死んだと同じこと。今行ける（動ける）状況なら行っておくのが一番、動けてもこの前みたいな騒動になればどうにもならんから。今回は景色（波動）が良い所で一部“妻の遺灰”を蒔くつもりでいる。
9月17日(水) 日本出国 関空（エミレーツ航空） 【晴】
大阪は今日も暑い。長かった夏も明日辺りでストップするとの予報だがどうなるか。海外旅行の行きが夜発になるのは久しぶり。エミレーツ航空はこの1本しかないから他に変えることは出来ない。猫たちの自動給餌器は一応3日間トラブルもなく動いている。ムーちゃんは出た分を全部平らげるから問題ないんだが、フーちゃんはネコ食べだから餌が出ても知らん顔。次に餌が出る間に食べてるようだから大丈夫なんだが時々見ないと心配だ。留守番してもらう娘にもその件を伝えておいた。猫の世話さえクリアー出来たらこちらも気兼ねなく海外に行けるんだが……順調に育つとこっちよりも長生きしそうな気がする。妻が生前言ってた展開になるか……後は子供達が、自分が死んだ後のことは考えても仕方ない。
隣の新築工事は24日からと聞いてるが測量関係の人が入って準備していた。一応タオル類だけを洗濯して、猫たちの2回目食事を見てから6時に出発。ザックは大した重さじゃないのに暑いと重く感じる。今回はメガネを忘れるなんてヘマしないよう充分チェックしたから忘れ物はナンもない。
難波発7時、ラピートα63号、座席は6号車23番。列車番号と座席番号が似てるような。前回の旅行からチケットレス特急券とやらにしている。スマホを持つとドンドンこんな方向に連れて行かれるのが嫌だったのに、今は流れに飲み込まれてしまっている。今日はよく乗ってるなあ関空も賑わいだしたかと思っていると、泉佐野でほぼ全員が降りてしまい関空まで乗っていたのは自分一人だけ。ありゃ、普通の通勤客だったのか。
関空着7時40分、いつも人で賑わっている関空も夜発になると極端に少なくなる。4階の国際線出発ロビーに行くとエミレーツ航空の列が出来ていた。他のエアラインと違いエミレーツはビジネスクラスの乗客も多い。いつも他の客の荷物を見てるんだが全員大きなケースを預けている。サブザック1個なんていう御仁は……見渡しても他にはオランなあ。プレミアム・レーン・カードとラウンジ名が印刷された搭乗券を受け取る。搭乗券にラウンジ名が印刷されていた。KIXラウンジKANSAIとなっている。ネットではエミレーツ航空はノースラウンジとなってたけどこちらに変わったようだ。
ラウンジは新しい所の方がイイ（とも言えんけど）。こちらとしては一遍こっちに入りたかったんだ。ネット情報なんて何時のか分からんし誰が書いてるかも分からんからあんまり当てには出来ない。さて、新しいラウンジはこの前入った貧相なラウンジ（ANAラウンジ）よりか格段にイイ。外国（アジア）の空港と較べるとマダ落ちるけど関空でやっとマシなラウンジが出来た。全部食べてみたいんだが……エミレーツの機内食もあるしあんまり食べる訳にはイカン。軽くお寿司、おかずとカプチーノ、フルーツだけにしておいた。入ってる人は多いけど広いのでユッタリ過ごせた。でも日本のラウンジで横に五月蠅いグループが来ると苛ついてくる。外国なら言葉が分からんからそうでもないんだけど。特に延々と仕事がらみの話をされると旅に出る雰囲気がぶち壊しになる。そんなのがいたから早めに退散した。
今回で3回目の搭乗となる現在世界最大のエアバスA380。何処から見てもドデカい。前はタイ航空のバンコク行で乗ったことがある。その後騒動でタイ航空の屋台が傾きA380は全機身売りされてしまった。やっと経営危機も脱したとはいえもうこの機種を飛ばせるほどの体力も気力もないだろう。どのエアラインも効率重視でこんな非効率機種が何時まで持つのかも。飛行場の能力（滑走路の長さ）も条件になるから、日本では成田と関空だけ。横のゲートにはフィンエアーのA350が駐機していた。
1階席はエコノミー、プレミアムエコノミー、2階は全部ファースト、ビジネスと完全に区切られている。搭乗する時も1階から2階の階段を上がらず2階入口に直接通路が結びつけられていた。窓際席、フルフラットシート、ミネラルウォーターミニボトルと何かが席横のミニバーに入っていた。男性用アメニティキットをくれたので“女性用に変えて欲しい”と言うと両方置いていってくれた。初日からこんなにもらったら荷が重くなるなあ……パジャマも持ち帰り出来るんだがそっちは帰りにしよう。
離陸して1時間ほどで機内食（軽食）が出た（ドバイ時間夜8時）。一番軽そうな寿司セットとフルーツ盛り。味はイイ、タイ航空なんかよりもズッと。この前（5月）に乗ったタイ航空の機種よりも格段いゆったりしている。飲んでばかりいるので2時間に1回トイレにいっている。座席後方には機内のラウンジも設けられていた。こんな飛行機に乗るのは始めて。ここはバー主体でアルコールばかりだがカプチーノを注文したら後の調理場で造って持ってきた。ここのカクテルも試してみたくなってきた、次は……。エアラインスタッフはいろんな国の寄せ集めみたい、ラウンジは白人ヨーロッパ系かな。アジアのエアラインみたいな細身美人じゃなくみんなガッチリした体型
9月18日(木) ドバイ（エミレーツ航空）イスタンブール 【晴】
飛行ルートは武漢～昆明～カルカッタ～アーメダバード～カラチ沖～マスカット～ドバイ。3時過ぎ（日本時間朝8時、ドバイ時間に時計を合わせている）になると機内照明が点り声がし出した。今度は朝食。昨日のラウンジから食べてばかりいる。ほとんど寝てないような、でもフラットシートだから寝てるのかも。
朝食は昨夜チョイスしておいた懐石弁当。これも美味い、ずっと昔シンガポール航空の懐石弁当を食べたことがあるが、それよりはズッと美味い。機内食のレベルも相当なもんだ、何時もエアライン・ランキングの上位になるハズだ。でも食い過ぎになるなあ。
ドバイ空港着4時35分。まだ外は暗い。ここの日の出は6時頃。ドデカい空港だがバンコク（スワンナプーム）ほど歩かされることはない。いろんな所を見てみるもんだ、今まではバンコクの空港が一番すごいと思っていたけどここに較べると落ちて見える。アジアの主要空港でまだ行ってないのはソウル（イーチョン）だけ。シンガポール、香港、マレーシアには行ったことがある。中国のも大きそうだけど……。
トランスファー（ここはコネクション）ボードに従って乗り継ぎ。出発ゲートに上がったが次のイスタンブール行きはどのゲートなのか分からない。乗り継ぎ便の6時間前でまだ表示板にはでてないからトランスファーカウンターで聞こうと探したが見当たらない。ショップはワンサカあるのになんでかな。エミレーツ航空のラウンジは各コンコースにある。ともかくラウンジに入ろうとエレベーターで5階に上がる。ラウンジ名はエミレーツ・ビジネスクラスラウンジ。ここはAコンコース､その階全部がラウンジになっていた。ファーストクラスは2階。時間制限無し、フリーWiFiのパスワードも必要なし。先ずは時計合わせから、イスタンブールとの時差は1時間あるけどこのラウンジにいる時間が一番長いから。
しかし……なんちゅう広いラウンジなんだ。スワンナプーム空港のタイ航空ラウンジが一番広いと思ってたが上には上があるもんだ。食べ物、飲み物はワンサカ、でも食べすぎてるもんで腹に入らん。後で知ったんだがビジネスクラスでドバイでの待ち時間6時間以上だと“ドバイ・コネクト”とやらいう特典があるらしい。入国してホテル滞在、食事が付いているという超リッチなドバイらしいサービス。次（もしもう一度乗るのなら）は試してみたいなあ……。
イスタンブール行きに搭乗する時、ビジネスクラス・ファーストクラスは2階から飛行機には入れるようになっている。ラウンジから下に降りようとエレベーターの1階を押しても反応しない、2階だとOK。上級クラスの乗客が間違ってエコノミー客と同じにナランよう気遣ってるんだ。ここまでキッチリとランク分けしてるとはさすがにエミレーツと言いたくなる。イスタンブール行きも前と同じA380。連続して乗ると勝手が分かってくる。乗客は関空からドバイほども多くなかった。出発が少し遅れた。離陸1時間ほどで食事、食べ過ぎてるのでコーンスープ、鮭のパスタ、フルート盛りだけにした。味はドバイまでの便に較べ若干落ちるようにも思えた（こっちの腹具合の所為かも）がそれでも他のエアラインに較べるとマシ。
イスタンブールまでの飛行経路はペルシャ湾～バスラ～バグダッド～キルクーク～トルコ東部～イスタンブール。飛行時間は約4時間。イスタンブールに近づくと時間調整なのかその周辺をグルッと回り出した。空港が混んでるんだろうなあ。出だしで遅れ、到着前もこんなことしてたから1時間近く遅れてしまった。ビジネスクラスでも優先レーンはなく普通客と同じレーンに並ばせられる。人気空港なんだ物凄い行列だった。空港バス（ハヴァイスト）の発着場はエレベーターで地下2階まで降りる。
タクシム行15時15分のは満席で出発、次のは15時45分。30分に1本出ている。チケットを売りに来たのでクレジットカード（タッチ決済）出払う。料金は355TL、ネット、本では275TLとかいてあったがまた値上がりしたか。リラが暴落してるのでユーロに合わせるとこうなるんだろう。どれを見ても約1時間半掛かるようなことを書いてるが1時間でタクシム到着。到着場所は同時に発車場所、サビハ・ギョクチェン空港行バスのすぐ後。明後日空港に行く時はここから乗るんだな。時刻表前には猫チャン、トルコだ。
さ～てどこで両替しようか。空港のレートは見てこなかったけど悪いのは分かってる。バス停から少し歩いて脇道に入った辺りの店で50ユーロ（2400TL）、イスティクラル通の店で20000円（5440TL）両替した。ここが一番レートが良いようだった。表の表示板に日本円がないところも多い。聞いたら大丈夫なんだと思うけど、その店にとっては日本人は上客じゃないんだろう。日本で言うほどトルコに行く人は多くないんだ。新市街の目抜き通だけあってメチャ人が多い。トラム軌道の横を歩くんだがイスタンブールの街は坂ばかりで平たい所がない。今日のホテルはタクシムより下で荷が重い時は楽。通りの両側に石造りの建物が並び雰囲気がある風景を醸し出している。
トルコ初めての宿は Mukarnas Pera Hotel（4-star）。部屋は1階で狭く、ダブルとシングルベッドが置いてあった。狭い上にベッド2台だから窮屈。マア2泊だけだから我慢すりゃいい。今回旅行の食は始めから当たりが続いてるけどホテルの方はどうなんだろう。なんせ初めての所だから予想が付かない。朝食は7時半から、フリーWiFiは部屋番号と青年月日で接続OK。
チョコマカ食べ続けてるから夕食を抜こうと思ってたが、レストランの様子を見ておくのもイイか外に出た。7時過ぎて暗くなると辺り一帯の道路にレストランが並び何処も満員になっている。メニューを見ると600～1000TL、こんな場所柄どこも高目設定。どこにも入る気がしなかった、Yaşam Et Lokantası。ミグロスジェット（スーパー）でジュースとハムを買う。入り組んだ路地を歩いてると人が少ないロカンタスがあった。看板にはイズミール・キョフテとか書いてある。入ってるのは観光客じゃなく地元の人だけみたい、よし食べてみよう。ピラフみたいなのと、キョフテ、茄子の煮物で320TL。味は……好みじゃないかも、でも人が少なくノンビリ食べられた（この要素は一番重要）。タイと同じように散歩用にサンダルを履いてきたが石畳の坂道は歩きにくい。トルコ人でサンダル履きはほとんど見かけなかった。サンダルは湿っぽく平地が多い東南アジアに適しているが、乾燥して石の道が多い国には合わない。
道が入り組んで何処をどう歩いたのかサッパリ分からんけど宿まで帰ってきた。界隈は若者達で盛り上がっている。お土産用の小皿、菓子類も良さげなのがあったけど帰りにしないと。角のレストラン（名前不明）のメニューを見るとターキッシュ・コーヒーがあったので一服（100TL）。カップのサイズを聞いてきたから、それに合わせて造るんだ。9時過ぎると眠たくなる、日本時間3時なんだ。
9月19日(金) イスタンブール市内 【晴】
日本とトルコは6時間の時差があるがマイナスの場合はさほど疲れない。夜更かしして起きるのが遅れるだけ、なんだが4時には目が覚めてしまう。明日は早起きしてフェティエに移るから体を慣らしておくのにはイイんだが。昨夜は少し寒いくらいでタイとは大違い。ジオラインTシャツと薄手ズボンを穿いて寝た。9月のイスタンブールはこんな気候なんだ、でも湿気は日本に較べると全くナイ。タイだと汗ビショで1日に2～3回着替えないといけないがここだと1日着替えずともいけそうだ。
さて朝食は……地下2階。あんまり期待してなかったけど､ナンと物凄い量があった。さすがにパンの国、いろんなパンがいっぱあいある。メゼ（前菜）もワンサカ並んでいた。味はトルコ風スパイスが効いて美味い。明日は早出だから朝食抜きになる。この朝食が分かってたら後の便にしたのに。トルコの朝食は何処でもこんな風なのか。初めての所（国）は馴染むまで時間がかかる。
8時半出発。予定では新市街のモスク10ヶ所ほどを回るつもり。外に出るとヒンヤリ、長袖シャツで丁度の気温。湿気はないし日本の10月みたいな感じ。朝のイスティクラル通は人通りも少なく昨夜の賑わいが嘘のよう。タクシム広場まで石畳の道を上がる。チェンマイみたいな平たい所だとサンダル履きがいいけど、こんな石畳の上り坂だと靴じゃないと往生する。その国に行かないとこんなことは分からない。
まず最初はTaksim Camii（タクシム・モスク）から。広場前の一番目立つ所に建っている。中に入るとまだ観光客、礼拝の人は誰もいず掃除の人がいただけ。イスタンブール（トルコ）で最初に訪れたモスクだからインパクトがある。幾何学模様みたいな装飾、見事な天井、色彩は少ないけど素晴らしい。新市街ではここが一番かな。
次は海岸沿いのモスクなんだが、迷路みたいに道が入り組んでサッパリ分からん。今までだったら直感で道が分かったのにスマホGPSばかりに頼ってしまうと感覚が鈍ってしまう。麻薬依存みたいなものだな。そして急坂ばかり、イスタンブールがこんな傾斜がキツいとは思ってもいなかった。年寄り向きの街じゃない、でもそんなこと（イスタンブール観光にとって不都合なこと）何処にも書いてない。
海が見えてきた方向に降りていくと海岸道路に出た。港に大型クルーズ船が停まっている。何処の船だろう。よく見るとすぐ後にもう1隻停まっている。目指すDolmabahçe Mosqueは補修中で入れない。時計塔はDolmabahçe Palace敷地内にあり入場料を払わないと入れないからパス。ここまで来るだけで疲れてきた。
海岸沿いに走るトラムの駅があった。T1線の始発駅Kabataş（カバタス）。マスターカードで乗ってみようと改札にタッチしたがゲートが開かない。3回目でやっと開いた、タッチする場所が違っていたんだ。これでイスタンブール市内の交通がクレジットカード対応してるのが分かった。何事もやってみないと。この路線は旧市街スルタン・アメフト、アクサライ方面に伸びていて観光するメインルート上を走っている。2駅乗っただけでTophane（トプハネ）で下車。
今日2番目のモスク、Kılıç Ali Paşa Camii（クルチュ・アリ・パシャ・モスク）は入れた。赤い絨毯が敷かれ誰もいなかった。イイ雰囲気だなあ。巨大なクルーズ船はイスタンブール現代美術館前に停泊していた。もっと近づいて写したかったが美術館は有料なので外から見るだけ。帰ってからこの船を調べるとMSCグループが所有しているMSC FANTASIA（137,936 トン）、前の方に停まってたのはMSC Explora 1（63,900トン）、大きさが倍違うんだ。こんな大きなクルーズ船が至近距離で停まって大丈夫なんかな。
3つ目のモスクは200mほど東側に建つNusretiye Camii（ヌスルティエ・モスク）。さっきのモスクと違い灰色基調の堂内。外人観光客がワンサカ押しかける所じゃないからノンビリ鑑賞出来る。人がいないとどこもイイ感じに見える。道を挟んだ高台に目を惹く建物が建っている。グーグルマップによるとTophane-İ Amire Culture and Art Center、美術館みたいなんだが入場料は要らんみたいなので寄ってみた。建物は大きいけど入れるのは2室だけで中は……前衛的美術といったら良いのか、スタッフのオネーチャンが説明してくれるんだがイマイチ分からんかった。ロンプラにも歩き方にもここは出ていない。ブラブラ歩いていると中々面白い所に出くわす。
グーグル地図に載っているモスクでも補修中で閉まってる所が多い。海側の街中に入るとレストランが軒を連ねていた。歩道上を傘で飾ったUmbrella Street手前のカフェ、ilter's coffeeworks でお茶休憩。ターキッシュコーヒーとお菓子（160TL）。トルコではアイス・ラテなんていう奴よりターキッシュコーヒー、チャイが合う、値段も安いし。通沿いの席でマッタリお茶するのもいい。ネットにも出てないこんな店は観光客が入ってこない。外人観光客はネット情報に頼りきりで自分で店を探そうとしないから。昨日夕食を食べたロカンタも地元の人ばかりだった。
この辺りがフィッシュ・マーケットらしいんだが……そんな雰囲気がない。魚の臭いがしないんだ。一筋南の通に入るとバルク・エキメッキ（サバサンド）の屋台が出ていた。サンドじゃなく巻いて（クレープ）るのが200TL。イスタンブールではこれを食べねばと注文。赤いベリーみたいなジュースも一緒にしたんだが……これはジュースじゃなく梅干し汁みたいに酸っぱい（調べて見るとシャルガム・スユという紫ニンジンを発酵させたドリンクで定番とか）。サバサンドの味は絶品だった。
もう1ヶ所回ろうと思っていたモスクも閉まっていた。今日は3ヶ所見たから充分なんだ。ガラタ橋までは行かずUターンしてガラタ塔に向かう。この道も急坂で喘ぎながら登る。タイみたいにムシ暑かったら途中でダウンするだろう。ガラタ塔入場料はバカ高いから見るだけ。トラムが走るイスティクラール通は何時も賑わっている。これだけ観光客が集まっていてもトルコではオーバーツーリズムなんて言葉は聞かれない。ケチ臭いどっかの国との違いは受け入れ容量の差か。
ホテルに帰り部屋に入るとまだ掃除してない。レセプションにニイチャンに言うと“3時までには……”、本当に4星ホテルなんか。仕方なしに時間潰しのもう一度外へ。疲れている時の石の道はシンドイ。どっかでドリンク、でも座る所は高いし。道沿いのフルーツジュース・スタンドでレモン・スムージー（70TL）。中国人かと聞かれた。日本人は少ないんだ。
またイスティクラール通を上がりタクシム・モスクまで来ると丁度礼拝時間で外までムスリム信者で埋まっていた。こりゃ入るのはシンドイなあ。明日の空港バス乗り場を見ておいた。喉が渇いてきたので SMALL TURKISH COFFEE(スモール・ターキッシュ・カフェ)で一服。外席まで地元の人で埋まってるのにグーグルマップには記載されていない、チャイ2杯で60TL。外人観光客がいない店のほうが落ちつく。帰りにタクシム・モスクによると礼拝は終わっていた。トイレして帰ろうと地下に降りると、ここは有料（10TL）モスクのトイレは全部フリーだと思っていたのに。
部屋に帰ると掃除は終わっていた。夕食は昨夜に続きロカンタスEhli Tat Lokantasiでレンズ豆スープ、キョフテ、ブロッコリ・人参の煮物、パンは自由で370TL。アラカルトのレストランもいいけどこっちの方が自分向き。
9月20日(土) イスタンブール（ペガサス航空）ダラマン～フェティエ 【晴】
真夜中（3時頃）スマホの音が鳴ったので開けてみると娘からラインが入っていた。今日はフェティエに移動、朝食を食べる時間がない。昨日買っておいた缶コーヒーとハムを食べただけで4時35分にチェックアウト。タクシム発5時半の空港バスに乗るつもりなんだが、ここからタクシムまでは上り坂で30分ほどかかるかも。
まだ暗い早朝のイスタンブール市街。人も少ないだろうと思っていたが大違い。若者達、観光客がワンサカいた。日本でこんな時間なら“シ～ン”だけど国際観光都市は全く違う。24時間こんな様子なのかも。タクシーもいっぱい走っていた。他の国だと朝早くにタクシーを捉まえられるか、なんて心配したもんだがここではノープロブレム。こんな光景はこの時間に歩かないと分からない。夜は適温だったし朝もヒンヤリして歩いていても汗をかかない。
予想より早く15分ほどでタクシムモスクに着いた。空港行バス停に着いたのは4時50分。停まっていたバス（5時発）に乗り込むと8割り方埋まっていた。このバスのチケットは外じゃなく中で買うやり方。出発予定時間になると満席になりオッチャンが料金を集めに来た。ネットではクレジットカード、イスタンブールカードが主流みたいなことを書いてあるが。見た限りではほぼ全員がキャッシュ。ネットにかき込んでる連中は、何時、誰の情報をネタにして書いてるんだろう。
5時5分発。早朝のボスポラス大橋はまだ真っ暗で船の灯りが見えるだけ。朝早いから車が少ないのか快調に走りサビハ・ギョクチェン空港着5時50分。1時間を切っている。イスタンブール空港からタクシムまでも1時間、ネットではどれも1時間半となっているが最大という意味なのか。イスタンブール空港に較べると小振りで国内線がメインの空港のようだ。仲に入るとゴチャゴチャしていて地方空港みたい。ペガサス航空のチェック・インはまだ、みたいだが荷物を預ける人以外は自動チェックイン機でやっている。どのLCCも窓口を減らし経費節減。まあやるしかないと機械に挑戦。パスポートを読み込ませるとすぐに搭乗券が表示され、メールで送る……まてよ今“機内モード”だから受け取れない。その他オプションを選ぶと“プリント”があった。出てきたのはスーパーのレシートみたいなペラペラ紙。
荷物チェック（入口でもやったのに）して出発ホールに入る。お次はプライオリティパスがデジタル化して初めて入るプラザプレミアムラウンジ（2時間まで）。同じイスタンブールの空港ラウンジとはいえ、メインの空港と較べると格段に落ちるラウンジ。マア何処にも入らず時間潰しするよりはマシ程度。航空機が離着陸するのを見下ろす席にした。さて朝食は……食べる物は貧相で日本のラウンジ並みだがパンだけは美味しい。
ダラマン行フライトは少し遅れて出発した。寝てしまって何時離陸したのか覚えてない。横の窓際席に赤ちゃん連れのトルコ人夫婦が乗っていた。約1時間のフライトでダラマン空港着10時50分。周りははげ山に囲まれタイみたいな緑の山とは全く雰囲気が異なる。空港の外に出るとバスが3台停まっていた。真ん中のがフェティと書かれていた。運チャンに聞くと、料金は中で。すぐに乗り込んだがまだ誰も乗っていなかった。今の時期は観光客も少ないのか、なんて思っていたらドンドン乗ってきた。飛行機の荷物受取で時間が掛かっていただけなんだ。
11時半バス出発。満席になっていた。海岸沿いの道を快速走行。どこにも寄らずフェティエまで直行、オトガルまで約1時間。大きな建物内じゃなく吹きさらし露天駐車場。オトガルというとイスタンブールなど大都会のバスターミナルを想像するけど、こんな簡易な所のほうが多いんだ。バス会社のオフィスがズラリと並んでいる。次のカシュ行きはどののになるんだろう。
宿までは1kmちょいだから大した距離じゃない。なのに足がフラついている。この程度の重さのザックでこれじゃ他人を批評する資格がないなあ。宿までの途中にあったロカンタSahil Lokantaları 1で昼食、390TL。ベジ物ばかり選んでしまった。不味くはないんだがどれもイマイチ好みとは言えない。タイ料理みたいに是非次も食べたいというのがない。サバサンドは美味かったけど。
3泊する MYKONUT APART OTEL 着1時半。2階203号室。居間、ベッドルーム、バスルームの3室に別れていて小さなバルコニーが2ヶ所ある。フリーWiFiのやり方を教えてもらったが、何故かスマホの表示がヒラカナ変換になってしまう。まだこのスマホに慣れてない。この宿はアパートメントなんで備え付けのティッシュ、インスタントコーヒーなどは置いてない。洗濯物はバルコニーに干せるので楽。
着替えて散歩。この街で一番見たかった古代劇場、途中のモスクにも寄らずに直行したが……あれ閉鎖されている。フェンスの外から見た感じでは小さなシアターであんまりインパクトがない。トルコの古代劇場を見物することが今回の旅の本命だったが、現物を見るとそんな気分も醒めてくる。まだ1ヶ所、それも閉鎖している所だから何とも言えないけど。
ヨット・ハーバーはいろんなヨットがびっしり停泊していた。ホテル近くのミグロス・スーパーで買物（ミネラルウォーター、ジュース、ヨーグルト）して帰る。夕食は大通の Köfteci Ramiz Fethiye（ファミレスみたい）でキョフテライスとアイラン（ヨーグルト）、400TL。宿に帰りバッテリーを充電しようとしたらコンセントが合わない。ネットで調べるとトルコはCタイプ、日本のはAタイプで変換アダプターが要る。フロントのニイチャンにアダプターを聞くとUSBタイプのはあるけどコンセント型のはなかった。後3個充電済みバッテリーがあるからイスタンブールまでナンとか持つだろう。その間はスマホで凌ぐしかない。今まで行った国ではこんな心配がなかった。インドの時はバッテリーじゃなく電池だったからその必要がなかったんだ。
9月21日(日) フェティエ オリュデニズ 【晴】
この宿の朝食は8時15分と変な時間。場所もこの宿じゃなく数分歩いた海辺のレストランでだ。少し散歩してからにしようと7時50分にレセプションに行くと鍵が掛かっていて誰もいない。8時前になるとバイクに乗って太めのオネーチャンがやってきた。チケットというと“まだ時間が早いから…”。“付近を散歩するので”と言うと納得した様子でチケットを切ってくれた。毎朝こんなコトするのも邪魔くさいなあ。この宿に泊まる客はほとんどが自炊（他に食べに行く）タイプなんかも。
朝のフェティエ、海沿いの遊歩道はヒンヤリして気持ちイイ。入り江に停泊しているヨットは何艘あるんだろう。ここはアジアじゃなくヨーロッパなんだと思わせる風景。釣りをする人やジョギングしている人も多い。犬、猫たちもアチコチ彷徨いていて餌をやりに来る人もいる。熱帯じゃなくともブーゲンビリアの花を見ると落ちつく。
ホテル提携のレストランは Boğaziçi Restaurant、ネット評価では二分している。食べ物なんて好き嫌いがあるんだから万人向けてなことはマズない。この通にはこんな感じのレストランが並んでいる。この景色を見ながら食べるんだから味がどうのとモンクはないはずだ。時間丁度になりレストランに行くと犬達が寝転びノンビリムード、猫よりも犬のほうが落ちついて見える。ドリンクは聞くから“カプチーノ”と言うと“それは別料金になる”とのことでチャイにした。タイとは違うんだ。さて運ばれてきた料理はメゼ、目玉焼き、イモ料理、キョフテみたいなのが4個、パンも色々。これでスープがあったら言うことナシなんだが。毎朝同じなんかな明日はオムレツにしよう。お客は一人だけ、もう一グループもいたがチャイを飲んでいた。味はともかく腹は張るし、景色が抜群。毎日こんな所で食べられるんだったら他はどうでもイイ。パンばかり食べていても出る物はちゃんと出ている。
さあ今日は旅の本題、地中海の見える丘に妻の遺灰を巻くこと。ドムルシュスタンド手前で丁度オリュデニズ行ドムルシュに会った。キャッシュで支払う。今までの乗り物はほぼキャッシュでOK。カードがないとなんてネットにかき込んでる奴は何時誰の情報なんだ。乗ってるのは自分一人だけ、日曜日なのにフェティエで一番有名なビーチに行く人がおらんのかと思っていたら停まるごとにドンドン乗ってきて横にも座ってきた。スマホ決済が一番多く、次はクレジットカード、キャッシュも何人かいた。フェティエからオリュデニズまで13kmほどなんだが何ヶ所も停まるから意外と時間が掛かった。
オリュデニズ着10時20分。目の前には地中海、陽差しがきつくなってきた。ビーチに入るには入場料（100TL）が要るんでパス。上の道からでも写せるだろうと歩いていったんだが全くダメ。仕方なく引き返し金を払って中に入った。白い砂浜に透き通る青い海、絵に描いた景色とはこんな所を言うんだなあ。ここに来たのは妻の遺灰を蒔くことだったんだが、来てみるとどうもイメージじゃない。なんかとりすまして綺麗すぎるし人も多い。妻はもっと自然な所が好きだと思う。暑さに負け海辺のカフェ Beach of Heaven で一服。トルコに来て初めてアイスラテ（240TL）を飲んだ。沖合に浮かぶヨット、頭上にはパラグライダー、静かな海。鬱陶しい小虫はいないし、カバイロハッカ、大イグアナもいない、ここはアジアじゃなく地中海なんだ。
ビーチはすぐに深くなってるみたいで子供達の姿がない。砂浜の先まで行くと入り江側にパラソルが並んでいた。こちらは浅瀬のようで家族連れが多くいた。世界で一番美しいビーチにノミネートされただけのことはある景色。妻はもっと泥（人）臭いランカウイやボルネオみたいな景色のほうが合ってるように思えてきた。トルコも地中海側は本当に暑い。
帰りのドルムシュも満員。途中から乗ると座るのは無理。フェティ・オトガルで降り手前のショッピングモールに寄ってみた。変換アダプターをと何件か電気（パソコン）屋で聞いてみたがUSBタイプ以外は置いてなかった。それも一番安いので499TLもする。日本では100均で売ってる代物なのにトルコでは高級品なのか。そこまで出して買う物じゃなしイスタンブールに行けばあるだろう。モール内フードコートでレモネード（110TL）、トルコではジュースよりこれのほうが一般的みたいで安いしどこにでもある。オトガルで明後日のカシュ行バス時刻を調べた。朝は7:00、9:00、10:30の3便、他の会社のもあると思うんだが。オトガル横のスマホショップを見るとUSBタイプのプラグが200TLであった。これでも高いんだがさっきの店の半分。これから先にあるのかどうか分からんから取りあえずゲット。これでスマホの方は心配せずに使える。
昨日閉まっていた円形劇場だがネットで見ると日曜日はクローズと書いてある。そんな感じじゃなくズッと閉まってるように見えたんだがマア明日もう一遍行って見よう。夕食は運河沿いに並ぶ屋台でバルクエキメッキの店 Fethiyem Balık Ekmek（グーグルマップでは）。昨日歩いた時から気になっていた店。サバサンドとレモネードを注文、265TL。出てきたのは分厚いパンの真ん中に大きなサバが野菜と一緒に挟まれていた。ボリュームがある。イスタンブールで食べたのは洗練されていたがここのはハード。味もイイ、サバ1匹とサラダ、パンを食べてるんだ。帰りに葡萄（房）を買う、大きめのを一房で60TL。トルコでは葡萄が安い。その国に合う（採れる）物を食べたり飲んだりしたら良い。
9月22日(月) フェティエ市内 【晴】
今朝の朝食も昨日とほぼ同じ。今日はお客が何組か来ていた。同じ宿に泊まってる人かな。波もなく穏やかな地中海、朝から釣りを楽しむ人もちらほら。猫チャンも一緒に。写真にしたら抜群の所で美味しい物を食べているように見えるだろう。ユックリ出てくるので食べ終わるのは1時間ほど掛かる。
今日は市内散歩。そう広くもない街だからブラブラ歩きでいける。9時過ぎに宿を出た。津中のミグロスーパーでティッシュとインスタントコーヒーを買う。タイだったらこんな物絶対買わないだろう。始めは裏山に見える遺跡（お墓みたいな）から。ドルムシュステーション横から山道を登りすぐに岩窟に着いた。子供連れの夫婦が来ていた。その子が可愛いかったので梅ドロップ（のど飴）をあげたが口に合ったかな。この辺りの岩山には所々こんな岩窟が掘られていた。上の方に行くには有料、入場料５€……それだけ払って行く人がいるんかなあ。
次はフォート。上を見ると人影が見えるから道があるんだろうけど何処から登るんだろう。それらしき所をよじ登ると車道に出た。これかなと登りだすとすぐ上で行き止まり。横の家の犬が吠えまくりニイチャン二人が出てきた。道を聞いたけど分からんみたい。仕方ないまた下に降りて車道を上がっていくと。フェンスに囲まれた駐車場があった。入口扉を引くと開いたので入ると、“登るのは危険だから……”てな事を書いた看板があった。ア、そう、と無視して登り始める。
この高さから見下ろすフェティエの景色は見事。道は岩ゴロで危なっかしい。山用の靴じゃないし足腰も弱ってるんでこんなことは避けたかったんだが高い所があると登りたくなる。こんな誰も来ない所で落っこちたら、と思うと足に力が入りすぎる。上は岩を積んだ要塞跡で景色がなかったら殺風景な所だ。真っ青な空と青い地中海、大小のヨットが転々と浮かんでいる。反対側（街側）に道が降りていたのでそっちを辿ってみたが行き止まり。また登ったりしていると汗でベトベトしてきた。ここは乾燥してるからこの程度で済むんだろうけどタイだったら汗ビショになってるだろう。
降りるのは来た道に出て車道を下るしかないようだ。色とりどりのブーゲンビリアが咲き乱れ熱帯の国を歩いてる気分だが湿気がない。景色が良く車道の所々に休憩（展望）所が設けられていた。真下に劇場が見える辺りで下に下る鉄梯子を降りると劇場の丁度上に出たがやはり今日も閉まっているみたい。回縁を回って下まで行ったがフェンスには鍵が掛かっていた。補修している風じゃなかったが何故だろう。整備してもこの大きさなら金を取るには難しい。期待していた古代劇場の1番目は外れ。
喉が渇いてきたのでヨットハーバー角のカフェ（名前不明）でレモネード、場所代もあり200TLもした。マア一番高くつきそうな場所だが。本通を一本南に入るとスパイス、干し果物の店が並んでいた。魚市場もありそこで食べることも出来るようだったが……昼は食べる気がせんなあ。
白いモスク Yeni Hamidiye Cami に入ってみた。赤模様の絨毯、白い壁、ステンドグラスが綺麗だったが何所もよく似た感じがする。モスク前の屋台でナルスユ（ザクロジュース）を注文したが、今切れてるとのことでチェリージュース（50TL）にした。さっきのレモネードより美味い。何日か滞在すると良い店も分かってくる。
少しハイキングしただけなのに疲れてきている。今夜はどこで食べようか。また出ていくことを考えるとシンドクなってきた。バーガーの店 MiaBurrito店頭看板に“ヴィーガン・ブリトー（ラップみたいな）”みたいなのが出ていた。よし今夜はこれにしよう。250TLと高目だけど体には良さげ。人気の店のようだった。もう1軒のスーパーで明日朝食用のサンドイッチとパン、レモネードを買った。
9月23日(火) フェティエ～カシュ 【晴】
朝は昨日スーパーで買ったサンドイッチ、葡萄、ジュースなどで軽く済ます。8時にチェックアウトしようと下に降りるとまだ鍵が掛かっている。朝食券をもらいに三人組が降りてきていたがそっちも待つだけ。8時5分になってやっとネエチャンがやってきた。ホテルとは違うから時間はルーズ。時間に追われるような人は泊まってないんだ。
朝はヒンヤリした気候だがザックを背負って歩くと汗が滲んでくる。オトガルまで約30分。次のカシュ行バスは9時丁度発。ここはカードで支払った。座席指定で12番。でも後から乗ってきた人は中でチケットを買っていたから自由席なんだと思う。バス会社名はBATI ANTALYA、この界隈ではこの会社がメインみたい。ネットで検索するとキャミールコチが走ってると書いてあったが、隣にそのバスも停まっていた。
9時発、1/3ほどしか乗ってない。バスは海沿い風光明媚な道を走っていく。太平洋やインド洋とは違う地中海の長閑な風景。ギリシャ神話映画に出てくるような木が少なく岩だらけの山肌が海に落ちている。まだ行ったことはないけどギリシャも同じような景色なんだろう。何ヶ所か展望所があった。何処を写しても絵になる風景が続いている。
カシュ・オトガルには丁度2時間で着いた。ここはフェティエよりも小さいバス停。アンタルヤ行バスの時刻表（手書き）が出ていたので写しておいた。1時間に1～2本くらい出ている。明日はデムレで途中下車してミラ遺跡にも寄るつもりだったが段々気分が失せてきている。こんなバス停でトイレを探すのもシンドイ。すぐ上の方にモスク Kaş Merkez Cami が見えていたのでトイレ使用を兼ねて参拝した。モスク内を写すにはカメラよりもスマホで広角に変えた方が全部入写せる。旅行中一番気になるトイレ、タイではお寺、トルコではモスクか。
カシュの街も山にへばり付いたような所なので傾斜がキツい。さてここのお目当ては町外れにある Antiphellos Antik Kenti（古代劇場）。オトガルから一下りしてから遺跡まで登り直す。この劇場はさほど大きくないけど綺麗に補修され上段まで登ると地中海を見下ろして素晴らしい雰囲気を持つ。トルコの遺跡（劇場）でも間近に地中海に面しているのは数少ない。ここはイイなあ、でも街から近いので観光客も割合多い。さらに上に上る小道が付いていたので登ってみると劇場、地中海と反対側のヨット・ハーバーが見える所に着いた。妻がピアノ演奏していた小ホール並みの劇場が真下に見えている。ここに遺灰を蒔こう。出不精の妻だったが景色の良い異国の丘で眠るのもいいだろう（自分の勝手な想いなんだが）。自分もまたここに来ることはないと思っている。
港のジュース屋台で始めてナルスユ（200TL）を飲む。味はさほど好みじゃないがトルコ名物を飲んでみたかった。観光地料金で割高。昼はナンか食べようとレストランを覗いたけど何処もバカ高い所ばかり。カシュはヨーロッパ系観光客の巣窟、そちらの感覚じゃ安いんだろう。まあどのレストランも見晴は良いし雰囲気も良さげ……味は分からん。やはり昼抜きでディナーだけにしよう。
Gardenia Hotel（ガーデニア・ホテル）のチェック・インは2時から。時間調整をと手前の Spoon Coffee でアイス・ラテ（180TL）。海際高台のカフェ、真下の浜にビーチパラソルが並んでるが遠浅じゃなく深そう。一昨日のオルデニズほどの天国的雰囲気はない。
ガーデニア・ホテル、1時半チェックイン。フロントのニイチャンにフリーWiFiのパスワードを聞いた。朝食は8時から2階のテラスで。トルコの宿はどことも朝食が遅い。せめて7時台にしてくれたら行動が楽なんだがトルコに来る人はノンビリ過ごしてるんだ。この宿はリフトがないので4階まで歩いて登る、年寄りにはキツい。始めに泊まったイスタンブールの宿並みに狭いけどバルコニー付なので洗濯物は干せるし海も一部見えている。コンセントはやはりCタイプ。インスタントコーヒー付、ティッシュはない。小さな部屋だけど飾ってある絵が気に入った。部屋だけじゃなく通路、階段にもイイ感じの絵が掛けられていた。同じ人が描いたようでベトナム、カンボジアの風景が多いようだった。
早めの夕食はヴィーガン・レストランでと4時に外に出たがこの時間帯は陽差しがきつい。フェティエ以上の暑さだ、カラッとした熱帯と言うべきか。アンタルヤもこんな具合なんかな。もっと寒いかもと中厚長袖シャツを持ってきたのに出番がない。この街も観光客向けで狭い道の両側にいろんなグッヅの店が並んでいる。女性がやけに多い､タイと大違いだ。ヴィーガン・レストランは止めてオールドタウンの中にある Cafe Corner Restaurant でヴェジタリアン・プレートとチャイ、480TL。食べ物とチャイを一緒に注文するとチャイの値段は請求されないみたい。これは店に寄ってマチマチだが。ベジ・ドルネとかいうのだったが肉系ばかりだったので偶にはこんなのも食べたかった。しかしよくまあレストランばかり集まって潰れないもんだ。味は取り立てて言うほどじゃないけどオープン席で食べる気分は捨てがたい。今回のトルコ旅行、食べ物に関しては味はともかく雰囲気が良い所ばかりだ。
少し登った所の Muhtar Market（カシュではここが一番とか）で太いロクム、ハムなどを買った。街の至る所で寛ぐ猫たちを見るのは和むが、登り下りが大きく少し歩いただけで消耗するから高齢者向きじゃない街だ。明日は今回旅行で一番バスに乗る時間が長いのでトイレが心配。
9月24日(水) カシュ～アンタルヤ 【快晴】
今日は長丁場なので朝の飲み物は控えめにした。8時朝食だから暇を持て余す。リフトがないから宿内の登り下りもシンドイ。海が見えるテラス席に座り、前菜色々、メイン料理（どれがそうなのか分からん）、パンだけはどの多度も豊富、ジュース2種類。食べてるとお客が続々やってきた。ロシア語みたいなニュアンスでサッパリ分からん。英語、フランス語、ドイツ語じゃない事だけは確か。40分ほどで終了。
バス内は冷えるかもと長袖シャツ、中厚ズボンにしたがバスターミナルに行くだけで汗だく。地中海側がこれほど暑いとは思わんかった。バス会社のオフィス（机があるだけの）で9時30分発アンタルヤのチケットを言うと、バスの中で。バスは5分前くらいにやってきた。座席はフリー、乗ったのは半分ほど。高級バスじゃなく路線バスなんで席が狭い。料金はキャッシュ払い。ほぼ全員がキャッシュだった。海側の席にしたから眺めは良いんだが陽差しもきつい。
1時間チョイでデムレ着。始めはここで途中下車してミラ遺跡に寄るんだったけど気が変わりやめた。まだ1時間しか走ってないのにトイレ休憩。少し早すぎる、次ぎにしよう。次は30分くらいでフィニケ着。ここでもトイレ休憩、このバス何回休憩するんだ。後が気になるのでここでやっておいた。トイレ代15TL。どこでも門番がいて現金払い。トイレもカード払いなんてこと書いてる奴がいるが……。その後も何ヶ所かで停車した。最後はケメル、トイレに行く訳じゃないが外に出てリラックス。周りの山は本当に禿げ山ばかり。雨が降らんから木も育たない。
アンタルヤに近づいてくると海の景色もごく普通になってきた。アンタルヤ・オトガル着2時前､カシュから4時間半かかった。外の気温は大阪の夏。ここから市内まではトラムに乗り換え。トラム駅まではトンネルを通っていく。途中にトイレがないかと見ていたがなかった。トルコの駅じゃないのかな。トラムはクレジットカードのタッチでOK。電車はノンビリ走ってるように見えるけど渋滞がないから気分的に楽だ。一番ホテルに近いBurhanettin Onat駅で下車。
今日から3泊する Residence Inn Antalya まで1.2kmほどなんだが長く感じた。やっとホテルについてホッと一息。部屋は、居間、ベッドルーム、バスルームとこの前のフェティエの宿と同じ感じ。この位の広さが適度だ。入った時窓のシャッター（電動）が全部降りていて上げ方が分からんかった。そしてこのホテルはカードを差し込まなくても扉の開閉で電源オンになる。コンセントは……やっぱりCタイプか。イスタンブールまで待つしかないか。充電済み予備バッテリーは後1個だけ。遺跡に行くんなら明日しかないなあ。部屋の中に洗濯物干し場を造りシャワーを浴び一服。
コーヒーを涌かし、荷を減らすつもりでフェティエで買ったロクムを食べる。中々美味い。もう4時前、外の雰囲気も見ないと。宿を出る前にレセプションでフリーWiFiのパスワードを聞いた。このホテルは繁華街と離れた所に建っていって静かだが旧市街まで行くと物凄い賑わい。フェティエ、カシュの比じゃなくイスタンブール並み。持ち金が少なくなってきたので50€両替した。残り130€。カレイチ（旧市街）入口にタクシーが停まっていたので運チャンにテルメッソスまでの料金を聞くと“4000TL”、ユーロだったら“80€”、う～ん他にも聞いた訳じゃナイから高いのか、妥当なのか分からん。こんな場所だから安いはずはないんだけど……思っていたほどじゃないからOK。明日9時ホテルまで迎えに来ることでゴー。トルコのタクシーについては“ボッタクリに気をつけろ”ばかりで実際どのくらい掛かったかの記事（ネット）はほとんどない。あっても何年も前のだったりで今の料金がサッパリ分からん。ツアー（ネットに出ている）は一人9500円ほどとなってるが何人ツアーなのか不明、そしてホテルじゃなく集合場所まで自分で行かなくてはならない。多分4名以上だと思うから、もし一人で行くのなら80€がメチャ高いとも思えない。交渉したら10€位は下がったかもしれん。
これで今回旅行の主目的、テルメッソスに行くということはクリアーした（まだ行ってないけど）。ケチって何処にも行かんかったなんてのは最低だから。ホッとして腹が減ってきた。アンタルヤではここにとプロットしたレストランがあるが、食べる所は実際行ってみて雰囲気を見ないとナンとも言えんし食べてみないと評価は出来ない。旧市街入口辺りにアンブレラ・ストリート（イスタンブールにもあった）なる一角があった。そのど真ん中のレストラン Anis Restaurant のメニューを見ると、メインが300～400TL。これくらいならイイかと、チキンキョフテとスープ、チャイ、スープを飲んだだけで腹が張る、500TL。トルコ料理はどれも予想していた以上にボリュームがある。昼を抜いて1日2食にした方が体には良さそう。
この通を行き来する人は多いけど食べていく人は少ない。トルコに来てから何時もオープン席のレストランで食べてるような。こんな所だとトイレに困らないのがイイ。トラムが走る大通り沿いのカフェCaffeco（少し曖昧）でアイスラテ（130TL）。トラムが横を走る外席に座りマッタリ出来るのはイイ。日本じゃこんなコト出来ないからなあ。アンタルヤは初日から馴染んでいる。トルコは何回も来てみたい所じゃないと思うけど。ミグロススーパーでレモネードとミネラルウォーター、ハム計59TL。一番安いレモネードは味が薄い。
9月25日(木) テルメッソス遺跡 【快晴】
朝食は7時半からだが4時に起きてしまう。トルコの朝食は何処ともよく似ている。パンの種類だけはあるがご飯はない。メゼ（前菜）がたくさん並べられているだけなんかな。ここはカプチーノが飲めた。サラダ、玉子焼き、煮物少し、ジュース2種、チャイ。トルコでチャーハン、カレー、寿司は無理な話だ。こんなのばかり食べていると便の出も悪くなってくる。
さ～て今日は本番。9時前に下に降りたら運チャンがきていた。昨日喋ったオッサンとは違うけど話は通じていた。クーラーを点けずに窓を開けて走行。異国ではこの方が雰囲気を肌で感じられる。オトガル付近は渋滞が酷かったけどそれ以外は快調に走れた。アンタルヤ周辺の山は全部岩混じりの禿げ山、ギリシャ神話映画に出てくる世界。
下の入口で入場料（150TL）を支払う。ネットの古い?!情報では20TLとなっていた。遺跡でも要るのかな。一月の内に何回か値段が変わるような国だから書いた時点でもう古くなってしまう。この値段も何時まで持つのか。ここまでは熱風が吹いていたけど山に入ると段々冷えてきた。駐車場着10時頃。売店でもあるかと思っていたがナンもナイ。遺跡案内板が立っている横に登山道が上に登っていた。こちらはウォーキングシューズを履いてるからノープロブレムだが、普通の観光客の靴じゃシンドイだろう。駐車場にも車は少ない。ガイドブックにも書いてないのは分かる。歩く体力がなかったら行き着けない遺跡なんだ。
岩ゴロ道を20分ほど登ると遺跡の縁に着いた。いろんな表示板が立っているがこちらの目的地はただ一つ、シアターのみ。登って行くと岩山を背に何年も想っていた古代劇場が見えてきた。若者グループが一組来ていただけで帰ってしまうと静寂、天空の劇場が目の前にある。トルコのマチュピチュと言われるだけのことはある。自分が予想していたイメージとピッタリ一致している遺跡。妻の遺灰（残り半分）を劇場上段に蒔いた。この前は地中海が見える小劇場、今度は神々が観覧する天空劇場。妻が死ぬ前に“もっとやりたかったことは”と聞くと“ピアノを牽いていたい”と言っていた。体力がなくピアノを牽くことは断念したが、こんな所で“幻想即興曲”を弾けたら本望だろう。
山の上なのに下界以上に明るい遺跡だ。ここに来られたことで充分満足。他の劇場はどうでもよくなってきた。もしここに来ていなかったらズ～と想い続けることになっていただろう。遺跡の他の所はサラリと見ただけ。広い所に散らばっていて道が険しいから油断していると落っこちてしまう。これだけで2時間近く経っている。標高1000mの高地なのに動き回ると汗だくになる。帰りは熱風走行、運チャンも堪らなくなったかクーラーを入れた。
オールドバザールで降りる。気分がよくチップを200TL渡すとすごく喜んでいた。やりすぎだったかな、マアこちらが満足したんだから世間の相場は気にしない。オールド・バザールと言ってもイスタンブールのバザールとは較べものにならん。猫チャングッズがいっぱいあったのでスマホで写し有見に送ると、“その内2個欲しい”と返信が来た。スマホでこんなやりとりしてると土産物ツアーになってしまう。
今日は昼抜きで夜だけにしよう。ホテルに帰ると案の定ルームクリーンアップがまだだった。フロントに行って“バスタオルの交換とミネラルウォーターだけでイイから”と言うとすぐに持ってきてくれた。家じゃ毎日シーツを替えるナンてことやらんのだから3日くらいどおってことない。
トルコに来て思うんだが、トルコ人の服装は日本人と同じようで地味、黒色、灰色などくすんだ色が多い。原色の服を着てるのは外国人観光客ばあｋり。イスラム国のマレーシア凄くカラフルだったのとは逆なんだ。そして店員の仕事ぶりが超スロー。ノンビリみたいに思われているタイ人でもすぐに出てくるのにここではじっと待っている。ヨーロッパに近いからもっとテキパキしていると勘違いしていた。マア日本、韓国、中国など糞真面目な国が平均となっている東洋と比較しても意味がない。計算もイイカゲンだし。
今日の夕食は何処にしよう。先に娘がリクエストしていたポーチを買っておこうとモスク前のオールドバザールに行く。1個150TLのをディスカウントして3個400TL。2個だけでよかったんだ。昨夜食べたアンブレラ通裏側にヒッソリした食堂があった。ケバブサンドとアイランで200TRか……誰も入ってないなあ。でもソファだしここにしよう。サンドとは言え大きな奴だから一食分としても充分な量。味は少しスパイシー、チャイ2杯とで計240TL。ネットで人気（高評価）の店はどんな味なんだろう。明日（アンタルヤ最後）の夜はそんな所で食べてみようと思っている。カレイチ内だとそんな店もいっぱいある。ホテルに帰りロビーでカプチーノ。このホテルは部屋にインスタントコーヒーが置いてないが、コーヒーを飲みたい時はロビーで美味しいのを飲めるんだ。
9月26日(金) アンタルヤ市内 【快晴】
今朝の朝食もあまり変わりばえしない。やはりメゼとパンじゃ腹が膨れない。トルコ料理でケバブ、キョフテを除くと他にナンかあるのかな。ヨーロッパみたいな文化辺境国では良くとも、中国が中心の東洋料理には及ばないと思う。マア不味いとこはないんだが、好みの問題。
さてと昨日でメイン目標達成を達成したから今日は何処にするか。第2目標のペルゲ、アスペンドス、シデに行くのもいいけどもう劇場はイイかな、それより海の景色を楽しみたくなってきた。トルコに来るまでは遺跡（劇場）をなるべく多く見て回ろうと思っていたんだが来てみると考えが変わった。何故だろう。
アンタルヤのビーチは市街地西方にある。トラムで終点まで行けばいい。ホテルを9時前に出て明日乗車するトラム駅を確認する。ビーチに向かうトラムはこれと違う線。モスク前の駅で待てど暮らせど電車が来ない。30分近く待っても来ない、止めとけということなんだ。じゃあ旧市街（カレイチ）見物にするか。横のオールドバザールに入ると衣類ばかりで完全に地元民向け市場。
カレイチは曲がりくねった細道が迷路のように入り組んで方向感覚が狂う。そんな所に宿、レストラン、グッヅ店が軒を連ねていた。海辺に降りると遊覧船がいっぱい停まっている。この辺りは砂浜がなく岸壁が続いている。公園に上ると遠くに白い砂浜が見えていた。真下の入り江にもビーチパラソルが並び泳いでいる人が大勢。カレイチは城壁に囲まれた街。当初はこの中に建つホテルにしていたけど気が変わり今のホテルに代えた。こんな歴史的地区内の建物はどこも狭苦しそう。見て回るのには良いだろうけど住むとなるとどうかな。海辺の屋台は何処もメチャ高い。公園でドンドルマ（75TL）を食べた。
旧市街地をグルッと回っただけなのに疲れてきた。ここも坂が多いんだ。カレイチ入口付近のジューススタンドで今回旅行2回目のナルスユ（150TL）、味は良いけど……観光客は多いけどドリンクを飲んでいく人はいない。偶に飲んでるのは地元の人だけ。中国人団体さんは見かけても日本人は全く会わない。これまで何回か“ニイハオ”と呼びかけられたがトルコ人にしたら東洋系は中国人と思うのは当然かも。やはり外に出ない民族は忘れ去られていく。
ホテルに帰り一服、今日は部屋掃除が終わっていた。今日の夕食はカレイチ入口の魚料理の店にしようと決めていた。その前にフライデーマーケットなる市が開かれていたので寄ってみた。出し物は生鮮野菜、果物がメインで観光客向けじゃなかった。果物も葡萄、スイカ、りんご、ミカンが主でカラフルな熱帯果実の類いはなかった。
アンタルヤ最後の晩餐、と言うほど大袈裟じゃないけど目抜き通りに面したレストラン TAMPİYON KALEİÇİ RESTAURANT。目の前を観光客がゾロゾロ通っていく。ガイド付きツアーが意外と多い。トマトスープ、ムール貝詰め物、チキンドルネナンとかとチャイで820TL（カード支払い）。パンは何処でも付いてくる。味は……どの店で食べても基本の味付けは変わらんようだ。子猫がテーブルの下を彷徨きチキン片をやるとパクついていたがあんまり懐いてない様子。旅の雰囲気としては立地も良いしスタッフも悪くない。
明日はイスタンブールに戻る日。タイ航空からメールが入っていた。出発が30分遅れるけどそれで良いかとの確認メールだった。今般の海外旅行はスマホと英語会話が出来ないとどもならんようになってきている。日本人が出たがらないハズだ。ホテルに戻り毎度のカプチーノ。大したホテルじゃないけど良いこともある。部屋は広かったしハンガーもいっぱいあった。この宿なら1週間いてもOKだ。
9月27日(土) アンタルヤ（トルコ航空）イスタンブール 【晴】
朝食はほんの少しずつ変えているようだ。まあ基本は変わらんけど。今日は出発するから早めに食べ終わった。8時半チェックアウト。この宿もアッサリOK、一々部屋を調べるナンてことはしない。スタッフも全員感じが良かった。
ドグガラジまで約20分。来た時はもう一つ先の駅で降りてホテルまで歩いたが、こちらの方が街中で賑やか。1本スキップして次の列車にした。車内に停車駅の表示があって分かりやすい。アンタルヤ空港のトラム駅は2ヶ所ある。終点手前の駅が国内線乗り場に近いのでそこで降りた。トルコ航空の自動チェックインだが……変更があった所為か座席番号9Cがない。スタッフのオッチャンに聞くとやってくれた。座席は適当に選んだらイイみたい、ナンかアバウトだな。マア出来たから中へ。ここも国際空港なんだがごく普通の田舎空港でイスタンブールとは較べられない。
この空港にもプライオリティパスでは入れるラウンジがある。CIPラウンジ、小さなラウンジで食べ物も僅かだが関空のカードラウンジよりはマシ。2時間待つだけだからこれで充分、パンとカプチーノだけにした。今日のフライトは30分遅れだからイスタンブールに着くのは2時半頃になる。市内に着くのは4時、ホテルは5時になるなあ。地中海沿いの旅も終わった。美しいビーチと天空の劇場、それを見ただけで今回の目的は果たせた。他に行っていたとしても付け足し程度になっただろう。
イスタンブールでは何処をメインにしようか。アヤ・ソフィアよりカーリエ・モスクに興味がある。次ぎに来ることもないから両方行っておくべきなのか、入場料は20€（1000TL）と25€（1250TL）。アンタルヤ空港のフリーWiFiはどうしたら接続出来るのかよく分からん。少しの間でもスマホ（ネット）に繋がらん環境も長閑でいいもんだ。こんなもんに慣らされてしまうとなければ禁断症状が出てくる。ラウンジにいる人間も全員スマホを見ている。もっとノンビリ出きんもんかなあ。こちらも持ってるけど偶に見る程度、それでもスマホを持ってなかった去年までの旅が懐かしい。
12時になったのでゲートに行くと……またディレイ、12時45分が13時15分発になっていた。当初からだと1時間遅れることになる。トルコ航空では遅れるのが日常なんかな。ナンとか機内に入ってみると機種はA330、国内線なのに大型機なんだ。飛行時間が1時間チョイなのに一応機内食（パンとドリンク）が出た。飛行コースは空港から一旦海に出てからUターンして陸地に戻り、ウスパルタ、アフヨン、キュタフヤ上空を通りイスタンブール手前で黒海に出た。もうすぐ空港かと思ってるとまた地中海側に進路を変えてから空港に向かった。これが普通コースなんかな。
イスタンブール空港着3時過ぎ。下のバス乗場に降りるとアクサライ行は丁度出た後で次は3時45分。そのバスが中々来ない。やっと来て荷物を入れたまでは良かったが車内に入れない??、少し待っていると係が入れたばかりの荷物を他のバスに移し替えだした。車両が不調でチェンジとのこと。ヤレヤレこんなことが続く日だ。結局空港を出たのが4時。バスは快調に走り1時間でアクサライに着いた。
もう5時、停まっていたタクシーにホテルまでていうと“ダメ”みたいな返事。近い場所だと儲けにナランから拒否されたみたい。バス停近くのPertevniyal Valide Sultan Camiiでトイレ。アンタルヤに較べるとイスタンブールは涼しく長袖が合う。この気候だと歩いていっても大丈夫と歩き出したがイスタンブールはどこも起状がある。アクサライからスルタンアメフトまでは上り坂、そこからホテルまでは急降下。
今日から3泊する Antea Palace Hotel に着いたのは5時40分、長い1日だった。ホテルは由緒ある佇まい、内装も凝っていた。エレベーターがアンティーク、一人乗りで手で開け閉めするタイプ。こんなのに乗ったのは始めて。朝食処は上まで吹き抜けの広間。このホテルはスパ（ハマーム）併設。313号室、ネットの写真とは違い地味な色合い。窓の外にはマルマラ海が見えている。ジェットバス付、バスタオル4枚、バスローブあり。コンセントはやはりCタイプ。フリーWiFiはパスワードなしで繋がった。居間用のソファベッドが置いてある。4人家族でもOKの広さだ。夕食を食べに出る時にフロントでコンバータープラグを聞くとすぐに合うプラグを出してくれた。このホテルはいろんな国からきているんだ。
夕食は……この時間だから探し回るのはシンドイ。行き当たりバッタリで宿近くの Dimbil Restaurant 入った。スープ、アダナケバブ、チャイで520TL。味はイケる。食後隣のモスクSokullu Mehmet Paşa Camiiに行くと丁度お祈りの時間で参拝客がいっぱいいて中には入れなかった。
夜のモスク見学もいいか、昼より空いているかもしれないと Sultanahmet Camii（ブルーモスク）に行ってみた。周囲はレストランばかりでどこから入るのか分かりにくい。南側の通りから北に回ると入口があった。さすがイスタンブール一のモスクだけあって夜8時でも観光客で混んでいた。夜景が美しいモスク内は小宇宙の趣き。スマホでパシャパシャ写すが、カメラじゃないと写真を撮ってる気がしない。
夜の街は迷路みたいで何処を歩いてるのか方向感覚がついていかない。さっきのモスクの礼拝も終わってるだろうから寄って帰ろうと来た道を戻ったつもりが違うモスク Little Hagia Sophia Mosque に出てしまった。さっきのブルーモスクに較べると小さく静かな堂内。混んでる所よりもこんな所の方がイイ。夜は冷えて肌寒い。手前の Ayasofya asmaalti Cafe でターキッシュ・コーヒー（150TL）。イスタンブールはどの店もオープン席なので夜は長袖、ヤッケがいる。宿に帰ると、ユミ、ヒロからラインが入っていた。娑婆に引き戻された気分になる。
9月28日(日) イスタンブール市内 【晴曇】
イスタンブールは本当に寒い。アンタルヤから来ると1日で夏から冬に変わったように思う。大型円形ベッドの寝心地はそう良くない。一人で寝るんだったらキングサイズベッドの方が寝やすい。
7時半、螺旋階段を降りて朝食会場に。このアプローチは良い。豪華な椅子が並べられまさにパレス。料理はいろいろあって今回旅行で泊まった宿では最高かな。ど真ん中ののソファ席に座りユックリ食べる。泊まり客は全員年配の白人、東洋系は自分一人だけ。食べていると人が増えてきた、意外と泊まってるんだ。ネット評価では食事が美味いと書かれていたが本当だった。好き嫌いは別としてだが。
食後上の階に上がりテラスに出てみた。朝のマルマラ海とモスクの尖塔、イスタンブールなんだ。猫が1匹寄ってきてスリスリ。この猫チャンは3日間何時も窓の外を歩いていた。この宿専属スタッフなんか。桜猫じゃなかったけど首輪もしてなかった。
今日はまずスルタンアフメトの空港バス乗り場を確認すること。中厚クリスタトレイルシャツを着て外に出たけど風が冷たい。太陽が出たら温かくなるだろうと希望的観測で出発。バス停はブルーモスクとアヤソフィアの真ん中にあった。昨日空港からアクサライに行った時、手前にスルタンアフメト行バスが停まっていたので気になっていた。旅に出る前までは空港から此処に行くバスがないように書かれていたが今年7月から運行再開したとのこと。次のバス（9時半）を待つ人達が並んでいた。アクサライだとホテルからかなりあるから荷物を持って移動するのは大変だが、この距離程度なら何てことナイ。
ウロチョロしてるのに中々暖かくなってこない。このままカーリエ・モスクまで行くとなると……ヤッケを取りに帰った方がよさそうだ。9月のイスタンブールがこんな寒いとは思わんかった。行ってみないと分からんもんだ。ネット情報ではこんなことまで書いてない。またスルタンアメフトまで戻ってトラム乗車。タッチ決済にも慣れてきた。この路線（T1）は音声案内がなく液晶にも駅名表示がない。アンタルヤの方が分かりやすかった。トプカプ駅で降りてT4路線に乗り換えなんだが、どっちに行けばいいのかと横にいたニイチャンに聞いたが、ベラベラ喋るわりには要領を得ない。他の一人も話しに入ってきて……トルコ人は親切なんだけど事務的とは言えん。一言だけでイイんだけど。
地下駅を出て陸橋を渡ると目の前が駅だった。T4ラインはここが起点、電車も停まっていた。カーリア・モスクに近いエディルネカプ駅は3つ目。この車両は日本と同じような感じ。トルコ語の車内放送があったが英語のはなかったみたい。外人観光客はこんな路線に乗らないから。車窓からは何本もミナレットが見えていた。エディルネカプ駅着10時9分。地下駅だった。上に出るとすぐ目の前にテオドシウス城壁が立っていた。トプカプ駅からここまでも城壁が連なっていた。城壁内はイスタンブール旧市街。
今日最初の訪問地は Mihrimah Sultan Camii。モスクはどこも外観がよく似ているがその日一番に行った所は印象深くなる。堂内は誰もいない。ユッタリと拝観できるところは好きだ。人懐っこい猫チャンがじゃれついてきた。
お次は今日のメイン Kariye Camii（カーリエ・モスク）。モスクじゃなくキリスト教フレスコ画の宝庫だから美術館と言った方がイイ。アヤ・ソフィアよりこっちに来てみたかったんだ。入場料（1000TL）払い中に入る。建物自体は小振りで特徴もなく壁画がなかったら誰も見向かないだろう。その絵なんだがキリスト教題材のやつはどうも肌に合わん。こんなんより仏教寺院の壁画の方がずっと面白いと思うんだが、好みの問題か、信仰の違いからか。写し回るにも小さな所だからすぐに済んでしまう。
喉が渇いてきたのでモスク前のカフェ Kariye Pembe Köşk Aile Çay Bahçesi でチャイとサラダの軽食をとった（220TL）。味は普通だがロケーションが良い。イスタンブールは何処でも絵になる。コーヒーよりチャイが合う。
次は少し離れた Fatih Camii（ファティ・モスク）。下り坂で歩くのは楽。このモスクも際立っている。周りは公園で緑豊か。中は……どんなんだったかな三つ目となると段々感覚が鈍ってきた。どこもイスラム特有の幾何学模様。仏さんでもいたら顔立ちを覚えられるんだが。
南東の道を下りローマ時代の水道橋（Bozdoğan Kemeri ）脇の公園まで来るとポリスがワンサカ集まっていた。ナンかイベント、集会でもあるんだろうか。女性ポリスもライフルを構えていた。トルコは偶にテロが起きる国だから警官も命がけだ。次のモスク Şehzade Camii の中は白基調で明るい。人もいなかった。イスタンブールでも観光客が集中する所は限られている。
モスク巡りの最後はバカでかい Süleymaniye Camii（スレイマニ・モスク）。もうどれがどれか分からん。1日3ヶ所が限界だ。ここは観光名所になっていて団体さんも大勢きていた。中は騒然として落ちつく場所じゃない。内庭に出ると海が見えてくる。海を隔てた向こうの丘にナンかの塔と大きなモスクが見えている、何処だろう（後で調べたらアジア側のモスクだった）。
モスクは終わりにしていよいよグランドバザールへ。でも入口に行くと閉まっている。辺りのアンチャンが言うには“クローズ”。先にオープン曜日、時間を調べておくべきだった。日曜日が休みとは観光名所らしくない。地元民用でもそんな市場は珍しい。バザール周辺にはクロムを売ってる店がいっぱいあるけど始めに見たタクシムの店より高目。こんなことは何回か来てみないと分からんもんだ。重い足を引き釣りながらナルスユ（100TL）を飲んだりチョコパン（40TL）を齧ったりしながらホテルに戻る。メチャ疲れたなあ、暫く動く気にならずソファベッドで寝込んでしまった。
夕食は……もう7時前か、ナンか腹に入れておかないと、と外に出たが……トルコのメイン料理は肉系。ヴェジ料理もあるけどそっちの方が肉よりも高い。普通は安いんだが。ブラブラとブルーモスクの坂道を上がると噴水があるレストラン Grand vesir restraurant があった。ネット評価は知らんけど真ん中に噴水があって雰囲気はイイ。外人観光客もいないしノンビリで出来そう。肉を避けレンズマメスープとイタリアンパスタ、チャイにした（660TL）。味は濃く、サービスもイマイチだけど居心地は良かった。ネット評価が高い店はいっぱいでジックリ味わうなんて無理。帰りがけにロクムの店を覗いてみた。大きなロクムは切り売りで1kgが1000TL､半分（500g）でもOKと言ってた。ここにしよう。グランドバザールでも探すつもりだが多分良いのはないだろう。
9月29日(月) イスタンブール市内 【雨曇】
夜中に1回トイレに行き次ぎ起きるとナンと7時半。昨日はよほど疲れたんだ。外は……雨、イスタンブールにも雨が降るんだ。気温は低くジオラインTシャツを持ってきておいて良かった。朝食は昨日と同じ真ん中の席でたらふく食べた。今日はボスポラス海峡を渡りアジア側に行こうかとも思ってたがこの雨じゃ景色も冴えんだろう。シルケジ辺りをブラついてみるか。
ヤッケ（ライトシャルジャケット）を羽織り外に出た。このヤッケは役に立っている。ブルーモスク、アヤソフィアは何時も観光客であふれている。今9時45分、9時半の空港バスは出た頃だと思ってバス停を見るとまだ乗り込んでいる所。今日は遅れてるんだな。明日はアクサライからの方がイイかな、迷ってしまう。スルタンアフメトからトラム沿いの道をシルケジまで下る。余中のロクム店を覗くと大きな切り売りロクムが1kgで750TLと昨夜店より安い。何種類か切って小箱（500g）に入れてもらった。それともう一つ小さいのとで計495TL。予定していたよりかなり安くなった。
国鉄シルケジ駅は現在改装中で中に入れない。この駅構内のカフェでお茶したかったんだけど終了するのは何時になるのかな。小雨降るエミニュニョ桟橋、ボスポラス海峡はお預け。さて グランドバザールに行くにはまた登り直さないと。シルケジからトラムに乗り三つ目のチェンベルリタシュ駅下車。バザールに行くには次の駅まで乗っていた方が良かったんだがお茶したくなり降りた。Simit Cafe（今は名前が変わりSultana）に入りザクロ・チャイを賞味。これは美味い!!（143TL）。他のカフェではなかったが、どの旅でも帰りがけなると良い所に出くわす。
イスタンブールの一大名所、世界でバザールと言えばマズここが上がってくる超有名スポット。人の波が続いている。金属探知機のゲートを潜り中に入る。でもイメージしていたのとは違うなあ。写真写りが良いように綺麗に整備され土臭い物は一切置いてない。いかにも外人向けに造られ中近東バザールの雰囲気は全くナイ。高目設定の土産物屋、貴金属店などの店ばかりで生活に密着したような店はなかった。お香の臭いも、生鮮食品の生臭い臭いも漂ってこない。中は迷路状で写真を見ていた限りでは異国情緒がありそうに思えたが、聞こえてくる言葉は英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語……など。こちらを見て“ニイハオ”と言ってくる奴が多い。同じ物を売る店ばかりが集まっていていくら歩き回っても珍しいのが出てこない。娘の土産用に小鉢3個（450TL）とそれを持ち運ぶバッグ（500TL）を買っただけ。バザールの外だと多分これの2/3ほどで買えるんだろう。タクシムやシルケジの方が安目だった。段々中にいるのが疲れてきて外に出た。
バザールを出ると両脇のモスクからコーランの音が聞こえてきた。坂道を下りホテルに帰るとまだ部屋掃除がすんでいなかった。水だけはあるから掃除ナシでもどおってことない。シャワーを浴びているとドアがノックされた。開けるとオバサンが“ルーム・クリーンアップ”と言うので“タオルだけでイイよ”。忘れてたんじゃなかったんだ。
イスタンブール（トルコ）最後のディナーは何処で決めよう。高い奴を食べても口に合わん四、ベジタブル料理にしようと Ziya Baba Türk Mutfağı Slow food kebap Dürüm wrap でスープ、ベジタリアン・ケバブ、チャイ（457TL）。味は……最後のディナーも決まらんかったなあ。昼飲んだざくろ・ちゃいがをもう一度飲みたくて看板メニューに出ているカフェに行くと､6時クローズ。昨夜のロクム屋でミックスロクムを2箱買う（440TL）。まだトルコリラが余り気味なので少し降りた所の珈琲専門店（名前不明）でカプチーノ（135TL）を飲む。オッチャン2人がやってる店で空いていた。こんな専門店のコーヒーよりも一般レストランのコーヒーの方が高いのは何故だ。
ホテルに帰り明日のパッキングをした。まだ150TLも残っている。もう一度夜の街に出てカフェを探す。ポツポツしだしたのであまり遠くまでは行けない。看板にザクロチャイと書いてあるカフェに入ると、今日は売り切れ。止めとけということか。
9月30日(火) イスタンブール（ミレーツ航空）ドバイ 【晴】
昨日と打って変わり朝から良い天気。気温も上がり表に出ても寒くない。毎朝窓の外にやってくる猫チャンに、昨日ハムをやったのを覚えているのか今日も同じ時間にやってきて“はよエサくれ”。窓を少し開けると入ってきそうになる。この前屋上にいたのもこの子だ。この階はテラスがあるからこんなコト出来るけど下の階なら無理。
トルコ最終日のブレックファースト、昨日のとはホンの少し替わっていたけど味の傾向は同じ。トルコ風スパイスは変えようがない。本当に豪華な食事処だ。カラフル照明の天井からシャンデリアがぶら下がりテーブル、イスも風格がある。パイプ椅子を並べたチープな宿とは各が違う。
出発前に屋上に上がりマルマラ海の景色を楽しむ。昨日がこんな良い天気だったらボスポラス海峡を渡ったのに……マアまた来る楽しみが出来たとしておこう。スルタンアフメト発11時45分のに乗れば空港に着くのは1時前。でもその通りに行くかどうか、昨日見た感じでは20分ほど遅れるみたい。1本早いのでもイイかと10時20分チェックアウト。ここもすぐに“サンキュー”で終わり。この宿も良い感じだった。バス停までの道は2回通ってるからスンナリ行けた。もう10人ほど並んでいた。この程度なら余裕でOK。でもこの後からドンドン列が伸びてきた。11時前になると対岸まで並ぶようになっていた。バスは、中々やってこない、やはり今日もディレイか。
11時過ぎると係のオッチャンが“バスの停まってる所まで移動……”テな事を言い出した。混んでいてここまで上がって来られないみたい。少し下ってバス乗車。日本人女性二人組が乗っていた。トルコに来て日本人を見るのは2回だけ。どちらも女性グループ。トルコは女好みの国なんだなあ。
11時25分発、早めに来ておいて良かった。運賃315TL。タクシム、アクサライ両方とも355TLだったのに一番距離が長そうなここからが安いとは。イスタンブール空港着12時20分。丁度1時間で着いた。エミレーツ空港ビジネスクラス・カウンターはいつも開いてるようでチェックインOK。ここのラウンジだが、エミレーツ航空専用ラウンジじゃなくプライオリティ・パスでも使用出来る IGAラウンジ。空港の一番奥の方にあり入口がナンと長蛇の列。ビジネスクラス客よりプライオリティ・パス客の方が多かった。そちらは時間制限などがあるから説明に時間が掛かってるようだった。ビジネスクラス客はチケットを見せるだけですぐにスルー。
入ってる人は多いけどバカでかいラウンジだから探せば座る所はある。一番端まで行くと席が開いていた。昼食をと色々食べみた。行列にならんでるとご飯とカレーを盛ってくれた。他はパスととコーヒー（カプチーノはない）、パンはあるけどバター、ジャムがない。有名空港のラウンジなのに物足りない。ビジネスクラス専用ラウンジじゃないので仕方ないのかも。ハッキリ言うと食べ物はイマイチ、人が多いので五月蠅いし、ドバイやバンコクのラウンジに較べると落ちる。関空よりは良いけど。トルコは最後まで食で感動しなかった。
今回の総括。念願のテルメッソスに行けた。他の遺跡（ペルゲ、アスペンドス、シデ、マイラ）には行けなかったけどメインに行ったんだから言うことナシ。カシュの地中海に面した古代劇場も良かったしオリュデニズのビーチも素晴らしかった。綺麗な所で妻の遺灰も蒔けたし、妻はどう思ってるのか分からんけど。モスクをたくさん見て回ろうと思っていたがどこも同じようで段々気が失せてきた。仏教寺院みたいなインパクトがないんだ。石畳の道を路面電車（トラム）が走る風景はイイ。曽て日本にもこんな風景があったんだ。
ホテルは細かい所では文句もあるがどこもそれなりに良かった。イスタンブール以外のホテル・コンセントがCタイプだったのはこちらの判断ミス。でもタイなどと較べると宿泊代がメチャ高い。これででもヨーロッパに較べると安い方なんか。レストランは肉が主体でベジ物は少ない。味は……こちらの好みじゃないけど不味くはない。中華料理は3日持たんかったがここは2週間行けたんだから自分の体に合っていないということでもなさそうだ。スパイスの味付けが好みじゃないんだろう。パンの種類は豊富、欧米よりもパンの国なんだ。フルーツは葡萄、ザクロ、スイカ、りんごなどがメインでトロピカルフルーツはない。名物のナルスユ（ザクロジュース）を何回か飲んでみたが、日本で飲むのと変わらなかった。スイカジュースは不味い。ここでは果汁ジュースよりレモネードが売れ筋みたいだった。
トルコに付いてのネット情報（日本語）やガイドブック情報はあんまり当てにナランかった。特にお金に関して。こんなに値段変動が激しい国だから仕方ないんかもしれんが、旅行は実際自分が行ってみないと分からない。もしまたトルコに来るのならボスポラス海峡のフェリーには乗ってみたい。今まで行きたいと思っていてミダス・シェフリは少し色褪せてきている。お墓よりもっと明るい所がいい。ギリシャと組んでもイイかな。
イスタンブール発4時半、帰りもA380。ドバイまでのフライトでディナーが出た。ラウンジでも食べたしチョカマカ食べ続けている。ドバイでは本格的なラウンジがあるし食べるのは適度にしておかないと。ドバイ着10時頃。駐機場にズラリと巨大なA380が並ぶ空港はここ以外何処にもない。効率などというミミッチイことは無視してバカでかいのは面白い。関空行はAターミナル、そこまで電車に乗り移動、関空みたいな近距離じゃなくかなり長くのっていたような。
Aターミナルも巨大でビジネスクラス・ラウンジは5階フロアー全部。来た時もここだったハズなんだが記憶が曖昧。それほど広いんだ。今回の旅行はトルコ国内よりもエミレーツ航空のA380、ドバイ・ラウンジの方が印象が強い。関空行はどのゲートからかまだ不明なので取りあえずA2辺りの席に座った。これだけ広いと満席なることはマズない。だだっ広いラウンジにポツンと一人だけみたい。イスタンブール空港から食べ続けてるので食欲がない。少しだけ食べて後はウツラウツラ。0時前にボードを見ると関空便はA23ゲートと表示されていた。今座ってる反対の方だからその近くまで移動、二つのラウンジを梯子した気分。この時間だからか人が少ない。
10月1日(水) ドバイ（エミレーツ空港）関空 帰国
ドバイ発3時（ドバイ時間）。今回4回目のA380、こんな広い機種に慣れるとA330やB777が狭苦しく思えてしまう。夕食はなし。飛行ルートは来た時と違い、イラン上空、カブールからカラコルム山脈を越えてタリム盆地、北京、ソウルと通過して関空。何時もこのルートなんか風向きにより変わるのか何回か乗らないと分からない。
トイレに起きたついでに機内ラウンジでカプチーノを飲んだ。これだけ機内が広いと軽く体操も出来るし長距離便では非常に楽。関空到着2時間目に朝食。和食にしたが超美味!!!。さすがはエミレーツ航空。窓際席なので景色がよく見える。徐々に高度を下げ金剛山、関空連絡橋が見えてきた。たった2週間の旅だったけど新しい旅立ち（妻とは別の世界に）みたいだった。こんな旅をしていけるのも後何年かなあ、動ける内は選り好みせず出来るだけいろんな国に行くようにするべきなのかなあ。