シェムリアップから悪路を約４時間、タイとの国境近くに大遺跡バンテアイ・チュマールがある。広大な寺域を囲む堀の外にも、東西南北の２個づつ衛星寺院が配置されている。かっては各々に４面仏があったらしいが、現存しているのは４基だけ。衛星寺院Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ、Ⅶ。
上の３枚はいずれも寺院Ⅶ（タ・プロームと書いた看板があった。カンボジアの全ての４面仏の中で、一番素晴らしい姿だと思っている。）。時期が丁度雨期明けのため、堀には水がいっぱい、木々も青々として遺跡にまとわりついていた。もう一月程したら藪も枯れ、ハスの花も咲いて幻想的な景観が広がるのだろう。(2005/11/16)
今回もお世話になった、ピース・インのモニーさん。カンボジアのマイナー遺跡へのアプローチは、いつもこんな具合だ。地元の、道を知っている子供に道案内してもらうのだが、その道は、民家の庭先だったり、畑だったり、荒れ地だったり……。
寺院Ⅳ。ここは遺跡まで近づけた。今にも崩れそうな姿だ。地震がなくても、大雨でも潰れてしまいそうだ。バンテアイ・チュマールでも、ここ数年の間に崩壊した４面仏がある。こんな辺鄙な土地にまで修覆の手が入るのは何時になるのだろう。
ここからさらに西に３０分程分け入った所に寺院Ⅴがあったが、堀には水が満々と湛えられて渡ることが出来ない。木立を通してかすかに仏面が見えているだけだった。寺院Ⅲは北に配置されているが、ここと同じく堀に囲まれている。行ってもどうせ無理だろうと省略した。